何故、カムチャツカなのか? そもそもカムチャツカとはどこで、何があり、 どんな魅力があるのか? 多分具体的に分かる人はほとんど居ないだろう。 僕も行くと決めるまでは、全く情報が無く、全然知らない地域だった。 今思うと、 逆にその情報の無さが魅力だったのかもしれない。
会社のシステム入れ替えの都合で、7月の海の日の週に丸々休みを取れそうだと聞いたのは5月頃だった。 こんなチャンスは2度とない。 聞いた瞬間に、さてどこに行こうと考えをめぐらした。 行きたいと考えていた候補は、南米パタゴニアと北欧アイスランド。 でもともに1週間では短すぎる。 行くだけで数日かかってしまうので、近くなければならない。 7月は最高に良い季節。 普段行けない所は? と考えていた時に、 たまたま登山雑誌を通して目に入ったのがロシア極東だった。 緯度の高いサハリンやカムチャツカは夏と呼べるのは7月下旬から8月上旬しかない。 丁度良いのではないか? となると、旅の手段を考える。 ロシア語を今から勉強したのでは到底間に合わない。 ならツアーだ。 最近はツアー登山のパックが出回っていて、言葉の不自由さを補ってくれ、 多少値は張っても価値はあるのではない? 調べるうちに、 カムチャツカには3000m級の山がゾロゾロあり、氷河もあり、 高山植物もきれいらしいことが分かってきた。 しかもロシアの山に登ったことがある人は、 身の回りには誰も居ない。 カムチャツカの旅の日程は、丁度休みとも合う。
よーし!! でも一人で行くと割高。 誰かと行くと少し負担が減る。 それならと大学時代の山登り友達に声をかけてみるが、一般社会人が1週間も休みを取れる訳が無い。 では家族はと声をかけたら、若き頃に山男だった父親は全く興味を示さなかったのに対して、 以外にも母親が乗り気。 ということで、母子で海外旅行という、 30男では普通あり得ない組み合わせで参加することになった。
旅行業者はアルパインツアー。 海外登山や辺境の旅のパイオニア。 新橋の事務所に、 母と話を聞くついでに申し込みを済ませ、準備開始。 本屋でカムチャツカの資料を探すが、 東京の大手本屋を3件ほど回り、ようやくガイドブックを見つけ出すことが出来た。 130頁ほどの薄い本なのに税抜きで\2200もする。 よほど発行部数が少ないのだろう。 カムチャツカの火山群が、UNESCOの世界遺産に登録されていることも、初めて知った。
一方で、登山に備えたトレーニングをしなければならない。 登る予定のアバチャ山は、 登山口から山頂までの標高差が1900mあると言う。 それを日帰りするのだから、 普段の体力では確実にバテる。 6月中旬から毎週末、山に通った。 南蔵王の縦走、大嵐山、飯森山。 そして直前の週には北アルプスの爺ヶ岳から鹿島槍ヶ岳へ1泊2日の登山。 初日は爺ヶ岳まで登山口から1400m弱の登り。 翌日は鹿島槍ヶ岳まで500m登った後、 下山口まで1700mを下った。 アバチャの規模ではないものの、 それを意識したトレーニングは済ませたつもり。 体調的には万全で出発の朝を迎えた。
ちなみに、カムチャツカの「ツ」は大きな「ツ」で「ッ」ではない。 昔から「カムチャッカ」と呼んでいた気がするが、どうやら現地の言葉との整合性か、 最近は全て「カムチャツカ」と表記され、そして呼ばれている。
新潟空港から11:15のフライト。 5:00起床し、まずは新潟駅へ行き、新幹線で来た母をピックアップ。 まだまだ梅雨は終わらない。 9:00過ぎに新潟空港に到着し、ツアーの集合場所へ。 ツアーリーダーの佐々木さんは真っ黒に日焼けしたいかにも山男。 このツアーへの参加人数は15名。 おじさん、おばさんが多い。最高齢は何と75歳。 標高差1900mを登るの? 参加客に、 母と夫婦での参加と間違われ、超ショック!! 母は若く見られたと浮かれ気味だ。。。
ウラジオストック航空の818便にて、ウラジオストックへ。 フライト時間は1.5h。 薄暗い建物のウラジオストック空港にて、いよいよロシア入国。 実に質素な空港で、 土産物屋も2-3件しかない。 ただ、今は自由経済が浸透しているはずなので、 共産時代にはもっと何も無かったのだろう。
2時間強の待合せ後、国内線でカムチャツカ玄関口のペトロパブロフスク=カムチャツキー (以下ペトロ) 空港に現地時間22:20到着。 夏時間を採用している関係もあるが、 日本との時差は4時間。 カムチャツカ時間は進んでいる。 日本語を話す現地ガイドもペトロで合流。 ペトロ空港は、エリゾボ市にあり、今日の宿のパラトゥンカ温泉ヴァージニア ホテルへは南西に進む。 トイレ・シャワー共有。 テレビが部屋にあるが、映りが悪い。 でもロシアとしては高級ホテルだろう。 夜中だったが、しっかりと食事をとってから眠りにつく。
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