ぐっすり眠り、8:00に朝食。 今日からはフラワーハイキングとは関係なく、 カムチャツカ自然観光ツアーに変わる。 本日はBystraya River の川下り。 事前に東京でツアーの説明を聞いた時の話では、ほとんど波をかぶることなく、 釣りをしながらのんびりと下るとのこと。 なら、自分のカヤックを持ち込んで下ってみたいと言ったところ、 「何とかなるんじゃないですか?」 との返事。 でも結局は、やはりそれは出来ないとの事。 この一週間でこのロシアって国が少し判ってきた。 ロシア現地ツアー会社も、 アルパインツアーも、極力自由 (単独) 行動を嫌っている。 ツアーだから仕方ないのかもしれないが、このロシアという観光発展途上国では、 お金持ち日本人は格好の獲物だろう。 自由行動で要領良く観光されたら、 ロシアに外貨が落ちていかない。 とにかく行動が制限されている気がしてならない。
そんなことはともかく、快晴のなか、Koryaki 峠を越え半島の西側に出て、Bystraya River へ。
約2時間の移動だった。 Pennitsa River が流れ込む付近がベースキャンプ。
中型のラフティングボートに、4人の客が前後に分かれて乗る。
加えて真ん中にロシア人の船頭。 彼がオールで漕ぎ、
我々は船からルアー (疑似餌) を投げて釣りをする。
水温が低そうだが、川幅は30-50mあり、瀬も1級以下で、カヤックで下っても何とも無いレベル。
水はきれい。 汚染という言葉にはきっと縁が無いのだろう。
こんな大自然の川であれば、それこそ自由に自己責任で下ってみたい。
さて、釣りのほうはと言うと、最初スピナー (回転するタイプのルアー) ではちっともアタリ (魚信) がなかった。
しかし、そのルアーを岩に引っかけてなくした後 (US$3 を支払う)、
スプーン (食事の時のスプーンのような金属タイプ) に変えた瞬間にアタリが出始めた。
始めは流れる船からのトローリングなので、アワセのタイミングが判りづらく、
3回もバラしてしまった (一度食いついたのに釣り上げられなかった事)。
少しタイミングをずらし、4度目の正直で43cmのニジマスをゲット。 2-3kGもある上物だ。
こんなに大きな魚は、釣り暦25年位ある中でも、釣堀以外では初めて。
是非食べたかったが、どうやら釣り上げてはいけない魚 (時期か?) のため、名残惜しいがリリース。
かわいそうに。 リリースされても怪我してしまたわけだから、長生きできないだろうに。
僕はスポーツフィッシングは嫌いだ。 釣った魚は責任とって食べないと。
キャッチ・アンド・リリースなどと言って、魚を逃がした方が聞こえは良いが、
実際には怪我した傷口から細菌が感染し、その魚は長生きしない。
生きていけるのは生命力の強い外来魚だけ。
矛盾を感じながら、さらに川を下り、次は40cm程度のイワナを釣る。
ここのイワナは斑点が赤い。 これは食べれる魚なので、一安心。
とても釣る気合いが見られなかった母でさえ、終盤に40cmのイワナを釣り上げた。
同乗の他の二人も釣ったので、きっと誰でも釣れるくらいの魚影の濃さなのだろう。
3時間強たち、Klyuchevka River との合流付近がゴール地点。 流速は4-5km/hで流れていたから、15km位は下ったのだろう。 天気の良い涼しい川下りだった。 ベースキャンプに戻り、遅めの昼食。 ウハーと言う魚のスープ。 もちろん魚はイワナ。 淡白な味。 やはりイワナは炭火での塩焼きが一番だ。
帰路にMalki 温泉に立ち寄る。 ここは河原から温泉が沸いていて川の水と混ぜて水温を合わせ、 湯に浸かる温泉。 日本であればきっと川湯温泉とか名付いているだろう。 キャンプも出来るようになっていて、長期滞在者も居るようだ。 カムチャツカのリゾート温泉地。 しかし、UNESCO世界遺産に登録してあるにもかかわらず自然が豊か過ぎるからか、 それともリゾート発展途上国だからか、ゴミにカラスの大群がたかっていた。 同じく温泉を発祥としたカナダのバンフ国立公園とは、環境保護の面で雲泥の差だ。 カナダは環境保護では世界の最先端を実践しているので、比べることが酷かもしれないけれど。
さらに帰路の途中、道の両端にテーブルサイズの屋台を出している場所でバスが止まった。 ここはロシア料理のピロシキを売っている屋台村のようなもの。 ピロシキとは、具が入った揚げパンのようなもので、具にはキャベツ、イモ、ソーセージ、 コケモモ、ミンチ、卵などなど、10種以上があった。 ロシア語が通じないので、適当に買ったらキャベツ入りだった。 何人も屋台を出しているが、道路に面している列と、第2列とがあり、 多くの客は道路の列の屋台で買うから、後の屋台は売れないだろう。 どういう決め事で立つ位置が決まっているのだろうか? 雨の日や風の日はどうするのだろうか? 謎が残った。
ホテルに戻ったのは20:00頃。 ピロシキでお腹が満たされているが、 釣ってきたイワナを調理してもらったので、それを食べる。 小麦粉をまぶしたバター焼き。 身が鮭のように赤くなっていて、まあまあ美味しかった。 食後、ホテルの温泉プールでひと泳ぎ。
今日は、オプションツアーの日。 バラバラとツアー毎に出発。 我々母子ともう一人が、 クルーズ。 事前の説明ではスタリチコフ島クルーズだった。 ここは、海鳥の宝庫で、エトピリカやウミウが島の断崖に巣を作り乱舞する光景を見るはずだった。 長く滞在したパラトゥンカ温泉から、まずはペトロ市へ移動。 アバチャホテルが今晩の宿。 クルーズの出発は11:40とのことなので、1時間半ほどの自由時間が出来、 目の前のバザール (自由市場) をウロウロ。 ガイドブックに載っている片言のロシア語で交渉?しながら土産を買う。 キングサーモンのスモークが200ルーブル/kG なので、決して安くは無かったが、 母子で5kG近くも買った。 とても美味しいスモークの風味で、土産としても好評だった。
さて、晴天の中、ツアーの3人と日本語ガイドでペトロ港へ向かい、 ロシア人との混載ツアーでクルージング開始。 ところがそのガイドを聞いてすぐに様子が違うなと気付き始めた。 このオプションツアーはアバチャ湾の外のスタリチコフ島までクルーズし、 そこで小型ボートに乗り換えて島を一周し海鳥を見るはずだった。 ところが、アバチャ湾の外に出ず、兄弟岩と呼ばれる3つの岩が寄り添っている所までで引き返し、 湾内にとどまった。 海鳥は確かにいる。 エトピリカもツノメドリもウミツバメも色々と。 でも船のスピードが速く、鳥は逃げるのでまともに近くでは見えない。 僕はそれほどでもなかったが、母ともう一人の参加者はカンカンに怒っていた。 でもロシアなんだから仕方ないじゃないと、変な慰め方をする。
湾の先端の半島に小型舟に乗って、浜に上陸。 ここで遅いピクニックランチ (多分15:00過ぎ)。 ここでのランチは楽しかった。 陽気なロシア人。 カムチャツカ出身のロシア人をカムチダールと言うらしいので、 カムチダールたちと、濃〜いウォッカで乾杯。 ウォッカの正しい飲み方は、 少量 (〜20 mLくらい) を一気に飲み込み、 喉が焼けそうになるのを香辛料のきいたパンの香りを嗅いで中和させる。 その瞬間はかなり効くが、少量なので酔いは回らない。 魚のスープであるウハーがメインの食事だったが、お腹が空いていた分、色々と食べてしまった。 ここで、カムチダールのAHHA (アンナ) さんと仲良くなる。 地元の大学生で、夏休み中とのこと。 少し英語がしゃべれるので、筆談でロシア語を勉強した。 今まで何となくロシア人に馴れずにいたが、これでロシアの人に親しみがもてるようになった。 個人個人はとても良い人たちで、単に外国からの観光客に対して慣れてないだけなんだと思う。
19:30に港に戻り、すぐにツアーの他のメンバーと中華料理屋に合流。 我々3人はついさっきまで昼食だったので、食欲はない。 船で大量にもらったウニをさばいて、 皆へのお土産にする。 カムチダールはウニを食べないらしいので、 大きなバフンウニがウヨウヨいるらしい。 羨ましい話だ。
夕食後、まだそれでも明るい。 ペトロ市街の中心にはレーニン像が立っているのが港との往復の車から見えた。 アバチャホテルからはそれほど離れてなさそう。 せっかくなので、母と食後の散歩。 片道20分ほどだった。 クルーズ中にも良く見えたビリチェンスキー火山 (2173m) が美しい。 均整のとれたその姿は、「カムチャツカの白い真珠」 と呼ばれている。 何故か色んな人が僕らに声をかけてくる。 話して楽しみたいのだが、 全然何を言っているのか解からない。 やはりその国の言葉を知らないと、その国を知り、 心底から楽しむことは難しいのかもしれないと思った。
朝7:30にホテルをチェックアウト。 エリゾボのペトロ空港へ。
9:50にウラジオストックへ向け離陸。 9日間のカムチャツカ旅行は終了。
この年の日本の夏は不順で久々の冷夏だったが、その反対にカムチャツカは連日好天が続いた。
例年は梅雨空らしいが今年はラッキーだった。
久々に晴れたらしい日本の新潟に、14:20頃到着。 翌週に訪れる粟島が良く見えた。
この旅行は、パックツアーの良さと嫌な点が盛り沢山だった。 ロシアと言う特殊な、自由旅行が出来ない (大変難しい) 国を旅するには、 旅行会社に任せたパックツアーは大変便利。 全て滞りなくつつがなくスケジュールをこなした。 でも団体のわずらわしさ、連れて行かれる受動的感覚が、どうしても気になった。 せっかく旅するなら、能動的に主体的に旅をしたい。 たとえ問題が起きても、 それを自分で解決して初めて、自分で旅したと言えるのだろう。 人に頼らなければ何も出来ないのであれば、その国を訪れたことにはなっても、旅したこと、 知ったことにはならないと思う。 僕は外国を旅して知りたい。 今回学んだツアーの良さと悪さを踏まえて、次の旅行を計画したい。
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