カムチャツカ半島アバチャ登山とフラワーハイキング

3: バチェカズェッツ フラワーハイク

7月23日 (水)

9:00朝食。 ロシア料理はスープがメインだ。 いわゆるボルシチといわれる赤カブのスープ。 その他にパン、サラミ、羊肉の煮込みを付け合せたライスなど。 カーシャと呼ぶおかゆも出た。

この日は中日。 休養日であり移動日。 アバチャ山ベースキャンプを発ち、 パラトゥンカ温泉へ戻る。 今日の天気も晴れ。 アバチャ山頂の噴煙は、 まっすぐ上に立ち昇っている。 無風のようだ。 河原のデコボコ道を下り、森林地帯に入ると、 あれほどたくさんいたエブラシカが途端に居なくなった。
往きに立ち寄ったエリゾボの市場でまたビールを買い足し、 再度パラトゥンカ温泉のヴァージニア ホテルへ。 ここで3泊する。 このホテルも花に囲まれていて、ルピナス、ポピー、ヤナギラン、クルマユリ、 シシウドなどが咲いている。 昼食後に自由時間となったが、街に出るには遠すぎる。
目の前の山に登ってみようかと言ったら、「ヒグマが出ます」 と言われてしまい、 諦めざるを得なかった。 ここロシアでは、温泉と言っても湯船に浸かって「いい湯だな!」 ではなく、水着になって温泉プールでパチャパチャするのが正しい入り方。 この季節は、カムチャツカにとってもわずかな夏のため、多くの観光客が、 このパラトゥンカ温泉を訪れている。 そのため温泉プールも、人が多い。 プールに行ったツアーのメンバーが居たようだが、敢えて今日は入らず、 久しぶりに昼寝をしてのんびりとくつろいだ。



7月24日 (木)

今日は、フラワーハイク。 要するに花を見る事を目的としたハイキング。 行き先は、バチェカズェッツ山の麓。 パラトゥンカの西になるが、道路が無いため、 エリゾボまで戻った後に、山塊を回りこむようにして行く。 約2時間の移動時間。 途中、ヤナギランが一面に咲き、まるでピンクの海のように広がっていた。 帰りに立ち寄る事を、 運転手にお願いをした。

Tohkoloch Lake の脇に、小さなベースキャンプがある。 ここから、フラワーハイクに歩き出す。

(写真1: Tohkoloch Lakeから) (写真2: Tohkoloch Lakeを見下ろす)

あまり、と言うよりほとんど人が入らないので、はっきりとしたルートも無い箇所がある。 一面の高山植物。 踏まないように気を遣うだけ無駄だ。 湖の近くには、クルマユリ、ヤナギラン、 アヤメ、ワタスゲ、シシウドなど。 少し歩いて山に入ると、フウロソウ、サクラソウ、 タカネビランジ、トウウチソウ、シオガマ、キンバイ、リュウキンカ、アキノキリンソウ、 ハクサンイチゲなどなど。 そして、少し草原状になったところでは、エゾノツガザクラ、 アオノツガザクラ、コメツガザクラ、エゾツツジ、オオバイケイソウ、色丹草、イチヤクソウ、 チシマイワブキ、イワウメ、イワギキョウ、ゴゼンタチバナ。 河原沿いで昼食をとったが、 水辺近くには、トリカブト、ツリフネソウ(?)、ワレモコウ、サクラソウ、ハクサンイチゲ、 キンバイ、その他、名の判らない花々。 とにかく花だらけ。 頬が緩む、緩む。

(写真3: オオバイケイソウ) (写真4: チシマイワブキ) (写真5: サクラソウ) (写真6: イワウメ) (写真7: キンバイ) (写真8: ツリフネソウ?)

ライフルを持ったガイドが2頭の犬とともに先導し、イテリメン先住民の女の子も一緒に歩く。 蚊が多い。 とにかく多い。 みんなそれぞれの工夫をしているが、 ウェットティッシュタイプの虫除けを帽子の間に挟むのが、汗で流れることがなく、 最も効果が長持ちするようだった。 空も晴れだし、雲が切れ、暑くなってきた。 今まで見えなかった山々が見え始めた。 ここはMt. Vachkazhets (1556m) や Mt. Vachkazhtsy (1500m) に囲まれた美しい場所だった。

(写真9: Mt. Vachkazhets とバイケイソウ) (写真10: イテリメン先住民の娘) (写真11: ロシア民族衣装)

春の花から夏の花、そして秋の花と、1年分の花々を一ヶ所で一日で見れると言うのも、 短い夏しかないことの裏返しなのだろう。 存分に楽しんだ後に、ベースキャンプに戻る。 我々のためにイテリメン先住民の娘による踊りとロシア人の女性による歌が披露された。 そしてこの日、ガイドさんに4300gの娘さんが誕生したとの連絡が入った。 ガイドは喜んで何発も何発もライフルを空に向けて撃ちっぱなしていた。 拾った薬莢はまだ熱かった。

そして、帰路はヤナギランの海へ。 西側から見たMt. Vachkazhets は、 裏磐梯から眺めた磐梯山の姿に似ている。 そう言えば、ここカムチャツカの火山群は、 世界遺産に登録されているんだった。

(写真12: Mt. Vachkazhetsy とヤナギラン) (写真13: ヤナギランと親子)

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