土庄港まで走り、フェリーで新岡山港へ。 再び山陽道の旅を開始。 倉敷に立ち寄るため、一度進路を西に戻るように走る。
倉敷を訪れる多くの観光客は、美観地区一帯を目指す。 ここは、運河を中心に、
江戸から明治の町並みがノスタルジックな雰囲気を出している。 その中心的存在である大原美術館には、
世界的な名画が多く所蔵されている。 例えばエル・グレゴの「受胎告知」やモネの「睡蓮」、
セガンティーニの「アルプスの真昼」など。 写真は当然撮れないので、気に入った絵の絵葉書を買い込む。
倉敷にこんな名画があるなんて驚きだ。
備中国分寺跡、高松最上稲荷、吉備津神社、吉備津彦神社など、備中吉備路を地味に観光し、岡山市街地のユースホステルへ。
羽柴秀吉が水攻めにした高松城跡の前も通過した。
桃や桜が咲き、春を感じるサイクリングだった。
朝一番で岡山後楽園へ。 ここは日本3大名園の一つ。 江戸時代に藩主池田綱政公の命を受けて造られ、
当時とあまり姿を変えることなく今に伝えている名園。 中央にある沢の池の背後には、借景に岡山城が近い。
朝ののんびりとした散策を楽しんだ。
さて、東へ、東へ。 なるべく西の大動脈国道2号線は走らずに、大石内蔵助の像が奉られている大石神社が建つ赤穂へ。
そしてさらに東へ走り、姫路のユースホステルへ。
このユースホステルでは食事はないが、何と言っても宿泊料が900円と安い。 連泊すれば2日目は700円だ。
国宝姫路城をゆっくり見るため、ここに連泊することにした。
これまで多くの城を見てきた。 日本に国宝の城は4つしかない。 そのうちでも最も大きく勇壮で、
かつ戦国時代から江戸時代にかけての姿をそのまま残している最も美しい城。 僕の姫路城に対するイメージはそうだ。
随所に戦闘を意識した造りが見られ、感激した。 大天守から見下ろす城郭も素晴らしい。 1日かけて、隅から隅まで、
ゆっくり見て回った。
国道2号バイパスがあるおかげで、国道2号線はそれほど激しい交通量ではない。 大型車が少ないのも助かる。 明石へ。
ここは東経135度子午線の街。 日本の標準時間はここ明石。 太陽は正午に南中する。 小学校の時、
横浜では何故11時半頃に南中するのかが分からなかったのが懐かしい。
子午線とは真北の「子 (ね)」と真南の「午 (うま)」とを結んだ線のこと。 天文科学館があり、ちょうど昼間に訪れたので、
日時計が子と午とを結んでいるのを見ることが出来た。
神戸を通過。 何故か観光する気にならず、そのまま通り過ぎた。 西宮と尼崎の境を流れる武庫川の河川敷公園が、
野宿に良さそうに思えた。 橋の下にはそこに定住していると思われる常連の先客 (いわゆるホームレス) がいたので、
軽く挨拶だけしてベンチのあるところへ。 JRの列車が多くの人を運んでいるのが見える。 電車からも僕のことが見えるのだろうか?
屋根は無いが、雨の心配はなさそうだ。
何故西宮の近くで野宿したかと言うと、春の高校野球選抜甲子園大会を見るためだ。
僕の野球人生は甲子園にあと7勝足りないところで終わっていた。
自分が負けてからは甲子園の野球すら余り興味を持たなくなっていたが、目の前を通り過ぎるのは元野球人として出来ない。
夏ではないのでカチワリの似合う熱闘甲子園ではなかったが、
それでもすり鉢状のアルプススタンドから見下ろすグラウンドで戦う選手たちは、白熱の試合を繰り広げていた。
初出場山梨の県立高校市川vs地元大阪の浪速高校。 応援では圧倒的に浪速が勝っていたが、たまたま3塁市川側に座った僕にも、
応援団からボンボンが渡され、一緒になって市川高校を応援した。 その甲斐あってか、強豪私立相手に3-1で勝利。
3塁側アルプススタンドの騒ぎ様は物凄かった。 この後も市川高校は樋渡投手を中心にミラクル快進撃を続け、
初出場でベスト4まで勝ち進んだ。 その後もちょくちょく代表になり、公立高校の星となっている。
その活躍を陰で支えていたのは僕の応援だったのかも!?
暑い甲子園を後に、大阪茨木市のM本君の実家へ。 M本君は大学の同級生で、2人で勝手に作ったツーリングサークルのバイク担当。
そう。 乗り物が違うので、実は一度も一緒に旅をしたことが無い。 でも互いに旅が好きなので、よく旅の話をする。
彼は念願の自動二輪限定解除免許を取得し、最近購入した750ccのバイクで、この夏は北海道旅行を計画している。
そんな話や僕のここまでの旅行話をしながら、くつろいで休んだ。
京都へ。 高校時代の野球部同期生の友人S願寺が、K大学の寮に住んでいる。 そこで2泊させてもらうことにしていた。
この吉田寮は古き良き時代の大学学生寮を今に伝える貴重な空間。 ボロボロだが何故か非常に心地よい。
この年の夏と秋にも訪れることになった。
S願寺とその友人らと、京都淀の競馬場へ。 春の天皇賞の前哨戦が行われていた。 どうしてかな? やはり当たらなかった。
当たらないのは交通安全のお守りになると言うけれど。。。
日付 | 行程 | 走行距離 | 宿泊地 | 宿 |
---|---|---|---|---|
3/26 | 小豆島 =(フェリー)= 岡山港 ⇒ 倉敷 ⇒ 岡山 | 75.0 km | 岡山県・岡山 | YH |
3/27 | 岡山 ⇒ 赤穂 ⇒ 姫路 | 103.4 km | 兵庫県・姫路 | YH |
3/28 | 姫路市内観光 | 17.4 km | 兵庫県・姫路 | YH |
3/29 | 姫路 ⇒ 明石 ⇒ 尼崎 | 87.2 km | 兵庫県・尼崎 | 野宿 |
3/30 | 尼崎 ⇒ 甲子園 ⇒ 茨木 | 38.7 km | 大阪府・茨木 | 友人宅 |
3/31 | 茨木 ⇒ 京都 =京都競馬場= 京都 | 41.4 km | 京都府・京都 | 友人宅 |