'97 北海道 夏 道北サイクリングと利尻山登山

3: 利尻山登頂と最北の地

8月13日 (水): 走行距離 81.5 km

今日は利尻島に渡るフェリーの時間に合わせるために、4:10に起床して5:15には出発した。 まずは20 kmほど北東の、日本最北端の地である宗谷岬を目指す。 原生花園、昆布漁などを見ながら進むが、強風のため全く前に進んだ気がしない。 6:50にようやく北緯45度31分の地に到着。 日本で最も北の場所。 寒い。 夏だというのに気温14度で風速9 m/秒。 冬並みの体感気温。 観光もそこそこに稚内へ引き返す。 今度はものすごい追い風。 向かい風の中で宗谷岬を目指すチャリダーたちはフラフラと走っている。 その中に京都出身の彼もいた。

(写真1: 最北の地 宗谷岬) (写真2: 昆布を干す風景)

稚内フェリーターミナルに9:00に着いたが、出航は11:00。 市場を回り、 食料などを調達して時間をつぶす。 波立つ中、船酔いしそうになったが、 2時間強で利尻島の鴛泊港に到着。 西岸の沓形が今日と明日のキャンプ予定地。 反時計回りで約15 km。 途中の夕日ヶ丘や富士見岬で綺麗な花々を見ながら、のんびりと走る。 道道と並行してサイクリングロードが沓形まで続いていることが分かり、 グニャグニャと曲がって距離は長くなったが、車の来ない道を選んだ。 今日は急がなくていいんだ。 島の西側に回ると、雲が少なく、 ついに利尻の山頂を見ることが出来た。 高い。 標高は1719 mではあるももの、 海抜0 mから眺めているわけだから標高差としては立派な高山だ。 鼻歌を歌いながら走り、 沓方岬のキャンプ場に14:45にはチェックイン。 ここも無料だ。 まだまだ陽が高いので、 ここまでの旅で湿りがちだった服や寝袋を乾かす。

(写真3: 海抜0mの高山植物) (写真4: 山頂を現した利尻山)

8月14日 (木): 走行距離 12.9 km + 利尻山登山

相変わらず東風が強く、きっと島の東側は雲に覆われているに違いない。 それならサイクリングをするよりは、島の西側から登山した方が良いだろう。 4:30に周りの音で目を覚ます。 5:15出発。 このキャンプ場は海に面しているので、 海抜0 mからの登山だ。 標高400 mの見返り台園地登山口まで約6 km。 自転車で約1時間かけて登る。 6:15に歩き出す。 雲が多く、頂きは見えない。 ダケカンバの森の登山道をゆっくり登り、 約1時間で7合目非難小屋。 登山道脇の名の判らぬ花を眺めながら、更に1時間で三兆山 (1461 m)。 視界が広がり、空も晴れてきた。 この時点ですでにハイマツが終わるか終わらないかの森林限界。 イワシャジン、リシリリンドウ、トリカブト、チシマゲンゲなどなど、 その他白や黄色い花は数知れず。 花の登山道を歩いている。

(写真5: 花の登山道) (写真6: 親知らず子知らずのガレ場)

ところが、ここからが危険な地帯。 特に親知らず子知らずは、昨年崩落が起きたばかり。 大岩が転がるガレ場となっている。 一歩踏み外すとどこまでも落ちていく。 それだけではない。 いつ上から岩が落ちてくるかもしれない。 昨夜のラジオでは山頂付近で女性が400 m滑落したと放送していた。 早朝にヘリが飛んでいた。 どうやら保護されたらしい。

鴛泊からの登山道と9.5合目で合流。 沓方コースはほとんど人がいなかったが、 一気に登山者が増えた。花園を見下ろしながら、登山靴と雨でえぐられた登山道を、 時々ロープを頼りに登る。 9:45に利尻山 (1719 m) 頂上到着。 ローソク岩を代表に、 風雪、雪崩、崩壊によって削られた荒々しい山容。 そして好対照な美しい花園。

(写真7: 利尻山頂にて) (写真8: 険しい山容)

早めの昼食をとり、10:20には下山。 残念だったのは、山頂は狭いのに人が多くて落ち着かないことだ。 下る途中で帯広から来ている男性と一緒になり、沓形の登山口まで下る。 三兆山から先は危険な箇所がないため、最後の方はダラダラとした歩きになった。 13:15に下山。 キャンプ場まで自転車で一気に下る。 登りに1時間かけたのに、 下りは15分くらいだった。

まだまだ陽は高い。 服を乾かし、この旅で最初の風呂に入る。 日焼けしたので、顔がヒリヒリ痛い。 体重を久々に量ったら、3 kg減っていた。 良いダイエットをしている。 海で貝を拾い、夕食のおかずにする。
これまであまり危険を感じる山を登ったことがなかっただけに、この登山は良い経験になった。

(写真9: 美しい山容の利尻山) (写真10: 夕食の内容 その1)

(地図3: ここまでの移動) (地図4: 登山ルート)




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